電話番号がないだけで、人生は止まる。だから「即モバ」を始めました。

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2026年8月5日、株式会社CoeNovaは、新しいモバイルサービス「即モバ」をリリースしました。

即モバは、過去の料金滞納などの事情によって、大手キャリアや一般的な格安SIMとの契約が難しい方に向けた通信サービスです。

独自の審査基準を採用し、クレジットカードや銀行口座がない方でもコンビニ払いを利用できます。また、スマートフォンでの本人確認が難しい方でも、セブン銀行ATMを利用して本人確認を進められる仕組みを用意しています。eSIMであれば、最短即日で利用を開始できます。

今回、なぜ私たちがこのサービスを始めたのか。その背景には、CoeNovaが2017年から外国人向け通信サービス「JP SMART SIM」を運営する中で見えてきた課題と、私自身の幼少期の経験があります。

外国人の方を支援する中で見えてきた、もう一つの課題

CoeNovaは2017年から、日本に来たばかりの外国人の方に向けて、JP SMART SIMを提供してきました。日本に来たばかりの方は、日本の銀行口座やクレジットカードを持っていなかったり、日本国内での契約実績がなかったりすることから、携帯電話の契約に苦労することがあります。

しかし、日本で生活を始めるためには、電話番号が必要です。仕事を探すときも、部屋を借りるときも、役所で手続きをするときも、さまざまな場面で連絡先を求められます。

私たちは、そうした方々を支えるために、コンビニ払い、多言語対応、本人確認の仕組みなどを整え、通信サービスを提供してきました。

その中で、日本人の方からも一定数の相談があることに気づきました。過去の滞納などを理由に、大手キャリアや一般的な格安SIMを契約できない。クレジットカードや銀行口座がなく、申し込みを進められない。

オンラインでの本人確認が難しく、途中で諦めてしまう。外国人の方を支えるために培ってきた仕組みが、日本人の方が抱える通信の問題にも役立つのではないか。

それが、即モバを始めるきっかけの一つになりました。

私自身も、生活を立て直すための支援を受けて育ちました

私は小学1年生の頃から、京都府長岡京市にあった雇用促進住宅で暮らしていました。家族5人で2DK、家賃は月6,000円でした。

私が小学5年生か6年生の頃、父が家を出て、その後、家族は数年間、生活保護を受けて暮らしていました。

経済的に苦しかったことも、もちろん覚えています。

ただ、それ以上に記憶に残っているのは、暮らしの中で当たり前とされているものが、私たちの家庭では簡単には手に入らなかったことです。

当時は固定電話を引くにも、電話加入権などのまとまった費用が必要でした。

我が家には固定電話がなく、連絡が必要なときは、隣の家の電話を借りていました。

アルバイトを探すときも、応募先から連絡を受けるために、隣の家の方に頭を下げて、電話番号を使わせてもらったことがあります。

電話を借りるたびに、相手に迷惑をかけているのではないか。

電話がかかってきたら、わざわざ呼びに来てもらわなければならない。

そんな申し訳なさを感じながら、使わせてもらっていました。

また、役所の方が家を訪ねてくるとき、母がカセットデッキを押し入れに隠していたことも覚えています。

「こんなものを持っていたら、贅沢をしていると思われるかもしれない」

「生活保護を打ち切られるかもしれない」

母は、そう怖がっていたのだと思います。

子どもだった私は、その姿を見ながら、私たち家族が何か悪いことをしているような気持ちになりました。

生活保護を受けることは、決して悪いことではありません。

生活に困った人が再び立ち上がるために必要な、大切な社会の仕組みです。

それでも、支援を受けていることに後ろめたさを感じたり、必要なものまで我慢しなければならないと思ってしまったりする。

私は幼い頃に、その感覚を知りました。

電話番号がないことは、単なる不便ではない

私はその後、多くの方に助けていただき、運よく経済的な困窮から抜け出すことができました。

しかし今も、さまざまな事情によって、生活を立て直したくても立て直せない方がいます。

電話番号がないことは、単なる不便ではありません。

働くこと、住むこと、助けを求めること、そのすべての入口を失うことだと、私は自分の経験から知っています。

仕事を探そうとしても、応募先から連絡を受ける電話番号がない。

部屋を借りようとしても、連絡先を記入できない。

行政や支援団体に相談しようとしても、継続して連絡を取る手段がない。

携帯電話を契約できないことで、生活保護の申請など生活を立て直すための次の手続きまで止まってしまうことがあります。

仕事を探すためには電話番号が必要なのに、収入や信用の問題で電話番号を持てない。

生活を立て直すために必要な道具が、生活に困っていることを理由に手に入らない。

この循環を、私たちは変えたいと考えました。

即モバが提供するもの

即モバでは、他社での滞納歴などがある方についても、CoeNova独自の審査基準により申し込みを受け付けます。

クレジットカードや銀行口座を持っていない方は、コンビニ払いを利用できます。

また、スマートフォンの操作やオンライン本人確認が難しい方でも、セブン銀行ATMの案内に沿って本人確認を進めることができます。

通信回線はドコモ回線を利用し、全プランに1回10分以内の国内通話が無料となる「10分かけ放題」が付いています。

月額料金は1,980円からです。

「携帯電話の契約に困っている方だから、高くても仕方がない」とは、私たちは考えていません。

通信契約に困難を抱えている方の中には、経済的な不安を抱えている方も少なくありません。

そのような方に対して、一般的な通信サービスよりも大幅に高い料金を求めれば、通信を持ち続けることが難しくなります。

即モバは慈善事業ではありません。

サービスを必要とする方に長く届け続けるためには、事業として継続できる仕組みにする必要があります。

私たちは、JP SMART SIMの運営で培ったノウハウを活用し、未払いにつながる異常利用を管理しながら、できる限り市場水準に近い料金で提供することを目指しています。

サービスをつくるだけでは、必要な人に届かない

即モバは、ウェブサイトを公開して、広告を出すだけで広がるサービスではないと考えています。

本当にこのサービスを必要としている方の中には、即モバの存在を知らない方もいます。

インターネットで自分に合うサービスを探すことが難しい方もいます。

オンラインでの申し込みを一人で完了することが難しい方もいます。

そのため、今後は行政機関、生活支援団体、居住支援事業者、就労支援事業者などと連携し、相談窓口で即モバを案内していただける仕組みをつくっていきたいと考えています。

社内でも、直接契約だけでなく、行政、支援団体、一般企業などから紹介を受ける連携モデルを重要な販売方針として位置づけています。

また、スマートフォン自体を持っていない方に向けて、端末とSIMをセットにし、受け取った後すぐに使えるサービスの提供も予定しています。

SIMだけを提供して終わりではありません。

電話番号を持ち、社会とつながり、次の一歩を踏み出せる状態まで支えることが、即モバの役割だと考えています。

誰もが、社会とつながった状態から再出発できるように

過去に滞納があったこと。

クレジットカードを持っていないこと。

銀行口座を持っていないこと。

デジタル機器の操作が苦手なこと。

それらの事情によって、仕事や住まいや支援につながる機会まで失われてよいとは思いません。

私自身、電話番号がないことで、アルバイトを探す際にも隣の家の方に頭を下げなければならない経験をしました。

だからこそ、通信を持つことは、単なる便利さの問題ではないと考えています。

電話番号は、社会につながるための入口です。

即モバは、誰もが社会とつながった状態から再出発できるようにするためのサービスです。

まだ始まったばかりであり、改善すべき点も多くあります。

利用者の方、支援現場の方、行政の方、そして社内の担当者の声に耳を傾けながら、申し込み方法、料金、サポート、端末提供などを改善していきます。

電話番号がないことで、人生の選択肢を失う人をなくしたい。

働くこと、住むこと、助けを求めることを、諦めなくてもよい社会にしたい。

そのために、私たちは即モバを始めました。

株式会社CoeNova
代表取締役 澤田 賢二

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